Vol.3 顔立ちを超える“美しさ”に必要なこと

シーズンごとにファッションのトレンドがあるように、メイクやヘアなども流行があります。

日本におけるメイクのトレンドは、ここ10年だけを見ても、クチュール感のあるラグジュアリー感あふれるグラマラスフェイス、愛らしさと華やかさを備えたドーリーフェイス、ノーカラーで立体感を自然に際立たせたナチュラルフェイス、極限まで素肌っぽさを演出した血色感フェイス、発光感あるツヤ肌とみずみずしい鮮やかカラーのジューシーフェイス……と目まぐるしく移り変わってきました。

東日本大震災以降には、女性の“美しさ”に対する意識が激変。華美に飾り立てて完璧な美しさを目指したり、実年齢より若く見せたりする外見重視の美意識が薄れ、もともと持つ顔立ちや肌など個性を生かした自然体の美しさを目指す意識が年々高まっています。

その流れもあって、いま“美しい”と注目を集める女性は、自然体でいながら幸福感や生命力にあふれて毎日が充実して見える人。日々スピーディーに変化していく世の中に振り回されず、無理せず自分らしく丁寧に生きている安定感のある女性からは、それらが内側から醸し出されているのでしょう。

そんな、その時代その時代の“美しい女性”を取り上げ、その生き方やメイク法などを雑誌などで多々提案してきましたが、私のなかで、どんなに時代が変わっても永遠に変わらないと思っている“美しい女性”の定義があります。それは“美しい肌”の持ち主であること!

“美しい肌”とは、キメが整い潤いに満ち、弾力があってふっくらとしていて、くすみのない明るい肌。これはどんなに時代が変わっても変わらない。

肌は「内臓の鏡」「心の鏡」といわれ、日々のスキンケアの積み重ねだけでなく、食事や睡眠など規則的な生活を送れているか、健やかな心を保たれているか、といったライフスタイルまで露呈してしまうキーパーツ。つまり、“美しい肌”は、“美しくありたい”という意識を持って日々努力を重ねた人にだけに与えられる唯一無二の財産と言っても過言ではないでしょう。

ここまで読んで、「でも、ファンデーションでどうにかすればいいんじゃないの?」と思った方も多いはず。しかしファンデーションの本来の機能は、肌のアラを覆って隠すものではなく補正をするもの。トレンドやシーンに合わせて質感を変えたり色を整えたりするものなので、例えるなら、女性を時代に合わせて美しく演出するイミテーション。

時代によって変わってしまう不確かなものであり、決して価値のある財産にはなりえないのです。

“美しい肌”は、年齢的な意味での若さや整った顔立ちが作り出す “美しさ”を超えると私は思うのです。そもそも、美しく整った顔立ちは、誰もが簡単には手に入れられるものではありません。
また、時代によってトレンドのメイクがあるように、流行の顔立ちもあります。それらが移り変わったら、美人顔も数年後には古臭い印象となってしまう可能性もあります。やはり、“美しい肌”こそが、自分自身を最高に美人へと格上げしてくれる最強の美パーツなのです。

美容エディター・ライター 秋葉 樹代子

大学卒業後、出版社に入社。人気女性ファッション誌で美容やライフスタイル全般の企画を担当。独立後は、雑誌や美容・健康系の書籍の執筆、ウエブ媒体でのエッセイ執筆も。インナービューティに関する資格や漢方養生に関する資格なども保有し、豊富な美容知識や人脈をもとに、ビューティプランナー、ビューティアドバイザーとしても活躍中。

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